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女性産業医を選ぶ理由と活用の仕方

「女性産業医を探しています」と問合せの段階で女性産業医を検討している企業が最近増えています。弊社の産業医は代表を始め8割以上女性なので、契約企業様や他の専門家からのご紹介で女性産業医希望の企業からご連絡いただくケースが他社よりは多いと思いますが、それでも以前より多くなったと感じます。

これも、女性の社会進出に伴って女性の就業者が増加していることや、政府が女性活躍を推進していることから、“より一層女性従業員を大切にしたい‘’と考える企業が増えたことが要因の一つだと思われます。

この記事では、女性産業医を選ぶ理由と活用方法ついてご説明します。弊社でご契約いただいている企業の声もなるべくお伝えできればと思います。

これから女性産業医の選任を考えている企業に、すこしでも参考になれば幸いです。

女性産業医を探している企業の特徴

  • 女性従業員の割合が多い
  • 女性の管理職がいる
  • ワークライフバランスを重視している
  • 若い企業やスタートアップ
  • 健康経営優良法人取得を目指している
  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包括性)の推進をしている

企業ごとに背景は様々ですが、上記のような特徴の企業で女性産業医を積極的に探していることが多い印象です。

女性産業医を選任する理由と活用の仕方

弊社でご契約いただいている企業のご意見を中心に、その理由についてご紹介します。

・女性従業員が相談しやすい

女性社員が相談する場合、同性の方が健康についての特有の悩みなどを話しやすいと感じることが多いようです。この15年で女性の就業者数は300万人以上増えましたが、「男性の上司や産業医には女性特有の病気やメンタル面の悩みは相談しにくい・・」という女性従業員は多く、できれば同性の産業医に相談したい、という希望が人事担当者に寄せられるケースがあるようです。

また、女性は横のつながりが強いですから、「同僚から聞きました」と更に別の女性の相談につながることも多くあります。

もちろん男性の先生でも女性の心に上手に寄り添ってくれる方はたくさんいらっしゃると思いますが、面談の初めの一歩を踏み出す時は女性の方が話しやすいのかもしれません。

・女性の意見をくみ上げられる

女性従業員の相談件数が増えると、産業医から「女性はどの部分を働きにくいと思っているのか」といった女性たちの本音を知ることができます。会社がこれまでなかなか把握できなかった女性の意見を吸い上げて、本当に従業員が働きやすくなる環境を作ることで、女性が育児や出産・介護など相談することもできずに離職してしまうことを防止することにもつながります。

・女性特有の疾患や悩みに寄り添ってくれる

月経困難症やPMS、子宮内膜症など女性特有の疾患は、男性が力になりたいと思っても中々理解してあげられないことも多いです。

女性産業医が女性従業員と男性従業員の間に入ることで、専門家視点からより具体的なアドバイスが可能ですし、女性従業員も相談しやすくなります。また、女性特有の疾患について社内教育を行い、男性従業員の理解を得たり、これから経験する可能性のある女性従業員が知識を得て今後のライフプラン・キャリアプランをどうするか考えたりする機会にもなります。

・出産や育児などライフイベントに左右されやすい女性の働き方の相談ができる

結婚や妊娠、出産、育児・・・女性には今後のキャリアに多く影響するライフイベントがたくさんあります。ライフイベントを機に生活の変化を余儀なくされる女性も少なくありません。結婚や妊娠・出産のタイミングは、責任のあるポジションを任されはじめるタイミングと重なることも多く、中には仕事と家庭の両立に悩んだり、無理をして体力や精神を消耗して身体や心を壊してしまったりする方もいらっしゃいます。そんな時に、同じように働く女性である同性の産業医に悩みを打ち明けて共有することは、それだけで息抜きや励みになることもあるようです。変化の大きい女性の人生の中で、どのように仕事を捉えライフプラン・キャリアプランを組み立てていくのか、働く女性の視点でアドバイスがもらえるのは大きなメリットかもしれません。

・健康経営を積極的に推進したい

我が国の労働人口が年々減少している中で、優秀な従業員を確保するためには、高齢者や女性、様々な方が健康的に長く働くことが必要になります。そして、経済産業省の調査では、健康経営の取組みの中で関心が高いものという「女性の健康問題対策」が56%で最多となっています。「健康経営優良法人」の認定項目の中に「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」が盛り込まれるなど、企業においてはこれまで以上に女性の健康推進が重要視されているのです。女性の健康推進について取り組むことは、働く女性の休職・離職の防止や生産性向上、そして健康経営への効果が期待できます。前述した「女性の意見をくみ上げられる」というところに通じますが、女性が健康的に働き続けられるように、女性が話しやすい先生を探している企業もあります。

・女性産業医を活用している他社の事例を経験が豊富なため、情報を得られやすい

日本医師会によると、現在有効な認定産業医は全国で約6万7300人で、女性はうち約2割(2020年時点)です。女性産業医はそのニーズから増加傾向にはありますが、それでも数は少なく、女性産業医を希望する複数の会社からご指名を受けることがあります。

同じように女性産業医を活用している他社の事例経験が豊富なため、「他の会社では実際どうしているのか」といったリアルな情報を得られやすいメリットがあります。

例をあげると、最近だと「不妊治療と仕事の両立支援」という女性にとって大変センシティブな内容について職場環境の整備が企業に求められていますが、内容的にもなかなか身近な他社事例を集めるのは難しいものです。そのようなときにも、経験豊富な産業医であれば、その企業が実施しやすい支援についてアドバイスをもらいやすいでしょう。

女性産業医を選任するデメリットは?

弊社で産業医をご紹介する際に、初めは女性産業医を希望されていても、お話を聞いたうえで男性の産業医をお勧めすることもあります。男性従業員がとても多くて同性の先生の方が話しやすいのでは、と思われる場合や、他にもっと重要視したほうがよい点がある場合などです。例えば、人体に有害な化学薬品を扱う工場を持つ企業で、現在体調不良の従業員が出ている状況ならば、産業医の性別よりも、産業現場での化学物質に関連する中毒に詳しい産業医にお願いする方がよいでしょう。(弊社ではなるべく企業のご希望に添えるようにしていますが、弊社よりぴったりの産業医がいる場合はそちらをご紹介するケースもあります。)

まとめ

ここまで女性産業医を選ぶ企業の特徴、その理由と活用方法について弊社ご契約の企業の声を中心にご説明させていただきました。これから女性産業医の選任を考えている企業に、すこしでも参考になれば幸いです。

なにを重要視して産業医を選ぶべきかは、企業それぞれの事情によって異なりますので、産業医を紹介している会社と事前によく相談して、企業に合った産業医を見つけていただくことが大切です。

個別事例のご相談はお気軽にお問合せください。

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